左手を器用にしたいと思っている人は多いと思います(利き手が右手の人の場合の話)。
私もその一人。日常生活の中でできるだけ左手に仕事をさせるよう、工夫しています。
そもそも、どうして左手を器用にしたいの?
よくある動機の一つは、ギターを練習している人たちの「上手に弾けるようになりたい」というもの。ギターに限らず楽器類では、左手の指の動きを鍛える必要が多々ありますね。私はその昔に習っていたピアノで、左手の中指と薬指だけを延々と同じ音で繰り返す練習曲(確かツェルニー30番のどれか)が克服できず、そこで挫折してお教室を辞めてしまいました。
<左手を器用にしたい動機の例>
・楽器演奏やスポーツのパフォーマンス向上のため
・右脳活性化など自己啓発的な狙い
・ケガや病気で右手が不自由になったときの備えとして
・作業効率化のため
・左手も上手に使えるようになりたいという純粋な好奇心
・身体の左右のバランスを整えたい
・職業的な理由
・(主に女性の場合)顔の左半分のメイクを左手でしたい
私が左手トレーニングに関心を持ち始めた理由については、別途ご紹介したいと思います。
あなたの左手、そんなに器用じゃないですよ!
左手を上手に使えるようになりたいと思い立ったとき、まずやりたくなるのが、左手でお箸を持つことや字を書くことです。でも、お箸を上手に持つのも字をきれいに書くのも、右手でも決して簡単なことではありません。個人差はあるでしょうが、子供の時にずいぶん練習したから上手になったわけで、大人になってもまともにお箸が使えない人や、字が下手くそな人はたくさんいます。
経験値の低い左手にいきなりそんな高度なことをさせるのは、賢いやり方ではありません。ダイエットのために左手でご飯を食べる(食べるのに時間がかかって少ない量で満腹になるから)とか、そういう目的なら別ですが、純粋に左手の能力を育てるためには、もっと簡単な動作から始めるのが理想です。
実際、ふだん右手ばかり使っている人の左手は、自分が思っている以上に低能です。「右手じゃなくても絶対にできるはず」と思えるかんたんな動作、例えば照明のスイッチをオンにするとか、ティッシュを1枚シュッと取るとか、そんなことから始めるくらいでちょうどいいと思います。
右手のサポート能力の低さを知る
左手はふだん、支えるとか、押さえるとか、補助的な仕事を専門職としています。それはそれで熟練が必要だったのだということが、左手を使う練習をし始めるとよくわかります。今まで左手でやっていたサポート動作を右手でやろうとするとうまくいかず、「はて、いつも左手はどうやって使っていたんだろうか」と、いつもの動作を再現しないと、動かし方がわからないことがあります。それだけ左手は黒子に徹していたということですね。